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2023/09/07

芥川賞読みました②

 第81回(1979年 上半期) 芥川賞受賞 重兼芳子「やまあいの煙」


出版社内容情報より

火葬場で死体焼却にたずさわる男は不断に死を見続けながらも、その仕事に心をこめていた。朝日カルチャーセンター出身の主婦作家が無償の献身を描いた芥川賞作品。


<感想>

表題作の「やまあいの煙」は、特殊な仕事をしている主人公の人生を描き、物語がただのよかったね話で終わらないインパクトを残しました。

さすが芥川賞作品は「この流れで、このオチか!?」という印象の本でした。

ハードカバーには4篇収録されています。戦中・戦後の時代背景もあってか、やや重苦しい作品が多いです。が、登場人物たちの生きていく上での生々しい葛藤が随所に描かれている印象です。 

著者も「探っても探り切れない自分自身に向かって書きながら尋ねもとめてゆく」とあとがきに記しています。




2023/08/31

芥川賞読みました①

 第169回(2023年 上半期) 芥川賞受賞 市川沙央 「ハンチバック」


<Amazonより>

「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」

井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。

両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――。


<感想>

障がい者である主人公の話。健常者とは、障がい者とは。実話なのか、フィクションなのか。現実なのか、空想なのか。場面がいくつかに分かれ、退屈せずに読めました。

言葉はやや難しめでしたが、それがゆえに繊細な描写が楽しめました。

ある程度本を読んでいる人には、新鮮な衝撃だと思います。

本好きの高校生はチャレンジしてもいいかも。中学生にはちょっと早いですね。

塾に置いてありますので、ぜひ読んでみてくださいね。