第81回(1979年 上半期) 芥川賞受賞 重兼芳子「やまあいの煙」
<出版社内容情報より>
火葬場で死体焼却にたずさわる男は不断に死を見続けながらも、その仕事に心をこめていた。朝日カルチャーセンター出身の主婦作家が無償の献身を描いた芥川賞作品。
<感想>
表題作の「やまあいの煙」は、特殊な仕事をしている主人公の人生を描き、物語がただのよかったね話で終わらないインパクトを残しました。
さすが芥川賞作品は「この流れで、このオチか!?」という印象の本でした。
ハードカバーには4篇収録されています。戦中・戦後の時代背景もあってか、やや重苦しい作品が多いです。が、登場人物たちの生きていく上での生々しい葛藤が随所に描かれている印象です。
著者も「探っても探り切れない自分自身に向かって書きながら尋ねもとめてゆく」とあとがきに記しています。
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